スポーツ街道(5)・サッカー

「魂の激突が、福岡を飲み込む。」

 鋭い矢となってゴールに突き刺さるシュート。こぶしを突き上げ、小踊りし ながら抱き合う選手たち。大きなうねりに包まれるスタンドのサポーター(応 援団)。選手と観衆が、ひとつのボールが描くドラマを通して歓喜の気持ちを 共有できる、それがサッカーのすばらしさだ。流れるようなステップから繰り 出される正確なパス。瞬時に入れ替わる攻守。ひとときも目を離せないスリリ ングな展開に、観衆は魅了される。サッカーは、身体的接触が許された数少な い競技でもある。

 中盤での闘志あふれるタックルやゴール前での激しい競 り合い。屈強な男たちのぶつかり合いに、競技場の興奮は一気に高まっていく。 ユニバーシアード・バッファロー大会での日本の成績は5位。上位陣は、韓国 やドイツなど、いわゆるサッカー王国が占めた。これらの国々は、プロサッカー が盛んで、選手層の厚さが際立っている。ユニバーシアード福岡大会でも、そ の状況は大きく変わらないだろう。しかし日本も上位進出を目指して、着々と 選手の強化を図っており、福岡に代表候補の有望選手も。学生にとって最高の 表現の場−ユニバーシアード大会。「東平尾公園博多の森」では、サッカー会 場の建設が着々と進むなど、世界の学生競技者を迎えるための準備に余念がな い。

観戦豆知識

 ギリシャに起源を持つといわれ、イギリスで発展していったサッカー競技。 現在では、イングランド、スコットランド、コンチネンタル、ラテンの4つの プレースタイルに分けられる。前者3つが組織的なプレーを軸にしているのに 対し、ラテンスタイルは、華麗な個人技を信条とする。世界的な傾向として、 それぞれの長所を取り入れ、各スタイルは融合を始めているが、Jリーグで活 躍するジーコやアルシンド、ラモスなどは、典型的なラテンサッカーの申し子。

 観衆や相手チームの選手が予測すらできない絶妙のプレーは、一級の芸術品と 評される。特筆されるのは、彼らのすべてのプレーがゴールに向かっているこ と。一定パターンをつくって攻撃を行う組織的プレーが主流であった日本サッ カーに変革をもたらした。だが、世界各国にくらべ、日本のサッカー選手の層 は、まだまだ薄いのが現実。しかし、Jリーグの川淵チェアマンなどによって、 平成元年からドイツのブンデスリーガを参考に進められてきた組織づくりによっ て、アマチュアからプロへと一環したつながりを持った社会スポーツクラブと して裾野を広げている。日本が世界のレベルに追いつく日は近い。


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