「激動する肉体、闘志。暑い夏が福岡を襲う」

 ”水中の格闘技”−水球を表現するのにもっともふさわしい言葉だ。多様な泳ぎのテクニックと強靱な体力が必要なスポーツで、1試合戦うと体重が約2kg減少してしまうという。観衆が何よりも惹きつけられるのは、音をたててぶつかり合う選手たちの迫力、ひとつのボールをめぐる熾烈な闘争心。プールが血の色に染まったゲームもかつてあったというエピソードが、その激しさを物語る。ヨーロッパを中心に熱狂的な支持を得ていて、ハンガリーでは国技に、またイタリアとスペインにはプロのチームもあるほど。1995年のユニバーシアード福岡大会に集まる各国の選手は、ほとんどがナショナルチームクラスというハイレベル。さらにプロを目指す選手は、実力をアピールしようとなみなみならぬ闘志で挑んでくるはずだ。上位に迫ってくると思われるのは、イタリア、スペイン、ハンガリー、アメリカ、ドイツなどで、どのチームが勝か全く予想がつかない大混戦。しかし、わずかなことで試合の流れが変わる競技だけに、日本を含め他国のチームがその一角を崩す可能性も。昨年のシェフィールド大会をはじめ、ユニバーシアードでは地元福岡出身の選手も大勢活躍している。3年後への期待は大きい。

観戦豆知識

 貴族のスポーツとしてイギリスで始まった水球。英語ではウォーターポロと呼ばれている。馬上で行うポロをそのまま水の中に持ち込んだもので、当初は樽に乗って競技していた事もあった。アメリカなどで改良を加えられ現在のような形になったが、ルールが確立されるまでは、相当荒っぽいため負傷者が続出し、競技禁止になっていた時期も。水球は1チーム7名の競技者と6名の交代要員からなり、競技時間は7分で4回。しかし、ファウルなどで時計が止まるため、実質の競技時間は計約1時間になる。ボールは円周約70cm、ちょうどサッカーボールくらいの大きさだが、ゴールキーパー以外の競技者はボールを片手で扱わなければならず、ハンドリングがたいへん難しい。また、ボールを持っている競技者にはアタック(妨害)が許されているので、キープ力の差が勝敗を大きく左右する。攻撃パターンの主流は、カウンターアタック(速攻)で、スピード感あふれる攻守の切り替えが見もの。だが、実は観戦の最大のポイントは、相手の心理を読んだフェイントや水しぶきを有効に利用したプレイ、そして文字通り水面下での微妙なかけひき(アンダーテクニック)。そこをチェックできれば面白さも倍増する。


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